CROSSROAD
学生時代は無茶をすることがかっこいいと思っていた。
海外一人旅をしたり、NGO団体を立ち上げたり、(それを無茶と呼ぶかは別としても)
いかに無茶できるかというのが評価された時期だった。
社会人になるとちょっと変わるようだ。
無茶から安定へ。
いかに安全な城を築くことができるか。
"ちゃんと" "しっかり" "恥ずかしくないように"
道から逸れないように、同じ方向を向いて歩き始める。
それを見ていると他人なんて関係ないと思っていたはずなのに
自分が信じていた大切なもの、価値観を疑い始める。
ここで踏ん張れるか。
本当にこっちでいいんだっけ?ってなっても
それでも自分を信じて前に進み続けられるか?
決めた。退かない。
※漫画「め組の大吾」より
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「なァ……朝比奈よ、“目的”を……“夢”を実現する人間って一体何が違うと思う?」
「え?」
「なんでもいい、例えばさ……サッカーで国の代表になり、ワールドカップ得点王になった英雄…
何万…いや、何億分の一かの確率かもしれないな、オレはずっと興味があった。
彼らは一体いつの時点で自分がそうなれると思ったのか………
でも、それは違うのかもしれない。
ある時に『俺はそうなれるかも』と気付くんじゃなくて…
『俺はワールドカップの得点王になれないかも…』なんて最後まで考えたことすらない奴が―――本当にワールドカップの得点王になってしまうんじゃないかって…!
人間は成長していくにつれ、いろんな現実を思い知らされる…
『うーん、現実は意外と理想通りに進まないぞ』
そして…『もしかしたら自分の夢はかなわないかも』『そうはなれないかも』と思う。
そう思った人間から、本当にそうなれなくなっていくんだよ…
でも、世の中には少数だが、どんなに大人になってもいつまでたってもそう思わない人間がいる。
朝比奈、これだけ俺が今回の崩落事故救出作業の困難さを説いても、オマエ、『きっと何とかなる』って思ってるだろ?」
「・・・コク(頷く)」
「オマエの最大の才能はそれさ。消防に入って今日まで…“もうダメだ”“しんどい”と口では言っても、実は本当に“もうダメだ”と思ったことがない。“自分はそうなれる”と信じているうちは、どんなことだって、“可能性”だけは残されている。」
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